エモこそすべて

きまぐれ書き付け

【六本木アート三昧】草間彌生とミュシャとアンデパンダン展でおなかいっぱい

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一日で回るには濃かった、濃すぎた。

 

めまいも落ち着いてきた日々なのでリハビリも攻め始めたこの2週間ほど。通常期並に予定を入れ、出掛け歩きて歩いて、動くようにしております。

草間彌生 我が永遠の魂

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感受性の受粉機能を低くして、うっすら気分を引き目にして鑑賞。原色に包まれてチカチカしつつも穏やかな気分。
連作の広間はどーんと体育館のように広くて、開放的に眺められるのは良い。立体造形については3Dデータやペイントの諸々データがあるものだし、子どもが登ったりできるように自由に触れるとよかったな。それでも破損したらそこそこ損害だとは思うものの。
つやつやしたところ触りたかった。

鏡の間的なところがとても気持ちが良かった、上下左右鏡張りの中で、原色のライトが2色(ぐらい)ずつホワホワと明滅していく。切替時に3秒ほど真っ暗にも。
吸い込まれそうでしばらくその場にいたかった。

出てきたときは案の定めまいを起こしていて、フラッフラ。でも良かった!

絵で見るよりも立体造形で感じたのは、草間彌生の中での解体。
いろんなものを吸い込んで咀嚼して、そのもの自体の存在は否定しないのに与えられた使命を拒んでる。

自然な感覚や当たり前をぶっ壊しに来るので、とても打たれた気分。

ミュシャ展 Alfons Mucha

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スラブ叙事詩、ズドーン!圧巻。圧巻すぎて柔らかい光が射して見える。その光に打たれてる。

ミュシャはグラフィックな広告としての絵図を随分前にも見た覚えがあったものの*1、大型の作品にはお目にかかったことがなかったのでとてもとても嬉しかった。さすがにテンションあがる。それぐらい大きい。

囲まれて鈍く淡い色合いに囲まれていると、影の付け方にすごく惹かれる。
なぜそこが?という画面手前の人物全面に影を与えて画面の中ですごく浮くように仕向けたり、同じ人物や具象の中でも広い面を大胆にフラットな影にしたりして、画面に動きと緊張が生まれてる。
同時にコラージュ感や遠近感も強くなる。素敵だ。

大判の下絵(墨で書いたような黒一色で、強弱のあるラインで描かれていた)を見てハットしたのは、とても漫画的である部分。

リアル系の漫画家(大友克洋寺田克也とか)の線使い、表情の線の取捨選択にとても似通ってる感じがした。下絵が古い感じしない。

胸がいっぱいになりました。

アンデパンダン

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インデペンデント展ってことなんですね、諸々美術界の制約や団体・協会の制約を受けないとかなんとか、なるほどー。*2

誤解をおそれずに失礼な言い方をしてしまうと、美術老人会というかなんというか、文化祭というか、甲乙つけずに画家さん方のエモーションをものすごい数並べた感じの展示でございました。

そんな若干「どうしたら……」という気持ちだったところに、上のスーホの馬ですよ!手縫い。手縫いです。全ページ全部全部。

馬がところどころホックで外せるようになっていて、もう根気の賜物。
スーホの悲しみを再び味わいつつ、手に触れる布の優しい暖かさと感触を楽しみました。展示してあるもの全部読みたかったよーーー!私のMVPこれです。

国立新美術館も全通しろというつもりはない展示群だったと思うんですが、少なくともミュシャと彌生ちゃん同時見はお寿司一人前食べてからステーキコース食べるようなもんなので、精神と体力に余裕を持っておいで下さい。

*1:図録も持っている。デザイン系学生にありがち。

*2:適当