身体性を伴いアートに越境するグラレコの可能性
もう数年、グラフィックレコーディングについての身体性をぶっております。10日ほど早いですが、メリークリスマス!!
こちらはグラフィックレコーディングAdvent Calendar2020
12/15参加記事です。(わなみんいつもありがとう!)
さて今年の身体性は「ついに飛び出してみたよ!」編です。
まずこちらの動画をぜひご覧ください。
Wacom connected ink 2020でのビジュアライズ
※概要がちょっと違ってるので、本来の説明は英語版が正しいですね。
こちらのイベントで即興性の高いグラフィックレコーディングをしてきました。
リアルタイムでその場で描くことは常ですが、ここではトークセッションがまさにJAZZのセッションのように繰り広げられる計画でした。
2社の代表者と、日本フィルの即興演奏、そしてビジュアライズというコラボレーション。何が話されるのか? どんな表現ができるのか? 一緒に現場に入ったカタギリショウタさんと、ワクワクしながら当日を迎えました。
※動画では20分過ぎあたりで2人で壇上へお邪魔します。
描くという行為の魂はどこにあるものか?
Wacomといえばペンタブ、液タブ。プロツールとして長らく知られている日本を代表するクリエイター御用達メーカーさん。井出社長言うところの「道具屋」
こちらでは、テクノロジーで文化を生み出すArs Electronica Futurelabと協業で「Future ink」についてディスカッションやプロトタイピングを重ねています。
その協業がどちらかに偏ることなく、超あっつあつのパッションを交え合うようなもので、双方の創造性に対する取り組みの姿勢がとても真剣なことにかなりときめいていました。
トークセッションのタイトルも抽象的かつど真ん中。
Where is My Soul?~Ars Electronica Futurelabとワコムが互いに問いかけるFuture Inkとは~
双方の取り組みのムービーもとてもエモーショナルで。
お話をされている井出さんも小川さんも、ほんっと創造と魂についてかっ飛んだ話をしてるのでほんとにオススメです、この動画。
ここで双方の代表が行う、Creative Question Challenge(CQC)という、互いに問いを重ねるブレストが実施され、本質を禅問答のようにジャムっていくようなトークセッションをビジュアライズしました。
予定時間は15分。絶対濃い話が飛び出すはずなのに、たったの15分!!
描き手の身体、そして拡張される身体
「ドローンで絵を描く時、そこにクリエイションの魂は宿るのか?!」という実験の話をうかがい、手探りで様々なテクノロジーとクリエイションの根幹を問う中、どうビジュアライズするのか?
言葉として飛び出すことが何かはわからないまでも、この面白い場でビジュアライズをするのなら、普段はできないようなダイナミックで即興性の高い、ライブドローイングのような勢いを持つ演出をしたいと考えていました。
ギリさんとも、描き分けは敢えて考えず。場合わせでビジュアライズの私達もセッションをしていました。きっと上手くいく確信があって、見事にハマったんですよね。
ステージ袖からお二人に話を聴いていると、テクノロジーと人間の距離を創造していく話題にテンションが上がってきます。場の雰囲気を全身で取り込んでいけるよう、身体を柔らかくニュートラルにするため軽く身体を動かしていました。
ビジュアライズの中ではキーになる言葉を描きつつ、魂を揺さぶるテクノロジーが生む身体性を、手で描くことで表現しました。
お二人のトークが熱を帯びたところで、用意していただいていたポスカのインクをドッバドバに出し。左手にビターっとインクを付けたときは、もうライブ会場にいるような気持ちで。紙面とギリさんとトークのお三方と音楽に五感が溶けるような瞬間でした。
身体性を解き放つ準備
身体を自由に捉える感覚を知りたくて、舞踏団・大駱駝艦のワークショップに参加したり、京都精華大学の身体表現講座を受講していました。
アートとデザインは展示を見たり体験したり、仕事の中で触れることが多いので、身体を使って学べる機会はずっと探しています。
舞踏では身体は器として捉えられ、外側から形作られている、動かされていると説かれています。器になり身体を使うためには、まず身体の力を抜ききることを覚える必要がありました。
どこまでも力を抜いた上で自分を放棄し、器として身体を使うための基礎練習をコツコツ繰り返しました。この繰り返しで叩き込んだのが身体が緊張しない状態。
ビジュアライズの現場でも、軽いストレッチをしながら場の雰囲気を取り込めるよう、身体をゆるい状態に持っていくと、耳や手の感覚が澄んでいく。ここで身体と感覚のチューニングが整う(……感じがするんですが、説明しづらい!!)。
おかげで、こういった現場で多少鼓動はドキドキしても、身体が固くなることはなくなってきました。
これから試したいアートへの越境
アートの世界にはライブペインティング、ライブドローイングといった即興の表現があります。第三者があり、その解釈を描くグラフィックレコーディングにはまた少し違った角度のアート活動に成り得ないか? と考えています。
例えばアートコミュニケーターが描くグラフィックレコーディング。アートを理解し、楽しむ感覚を育む場で、コミュニケーションとしてのライブ性を持ったビジュアライズ。
アーティストの作品やトークセッションと共作をする。
舞踏やダンスをビジュアライズする。
見えない状態で音楽や感触をビジュアライズする。
2021年は、非アーティストの立場から、ビジュアライズを携えた越境チャレンジをしていきたいと思います。
というわけで宣言。
2021年度のアートコミュニケーターに応募します!!
課題がんばって選考突破するぞー!! おー!
さて、明日12/16日のAdvent Calendarはナミさんです♥
こちらも是非どうぞ−!