エモこそすべて

きまぐれ書き付け

「ヒトはなぜ描くのか?」を終えて思う、社会における保健室的な何か

昨夜はこちらのイベントで、グラグリッド(黄色い方)のメンバーとしてガヤったり描いたりしておりました。

goodpatch.connpass.com

見事に興奮さめやらぬ状態で色々考えておりました。

 

ノートに文字を書き留める以外に、太いペンを持ったその最初の一歩。当時何が怖かったか、ハードルに感じていたか?を少し思い出した。

イベント中の発言にあった「描けばいい」には語弊が生まれそうだけど。「ペン持ちゃええやん」では全く無くて。当時自分が紙にもペンにもハードル感じていたように。今同じような不安がある人に、怖くないよって伝えたいところでもある。

主旨とは違うので、そこを深めきるという会ではなかったものの。不安を持ちっぱなしのままスタートに立って踏み出したから、今もある。

泳げなかった時、プールの水に顔つけるのも怖かった。鼻から水入るし。

でも顔をつけて、体を水に預けて、浮けることを知ったら。ビート板とか使って進める距離が伸びたんだったなぁ。(現在水は全く怖くないものの、息継ぎができないという別の未解決課題有り)

 

 

ビジュアライズも同じようなところで。どうにかこうにか肚が坐ってきて、やり続けていられた。

なのに描けない時が出てきた。現場でうまく理解ができない、掴めない、という実践上の課題とは全く別のところで。

サンプル数例の話ではあるものの、実は描く習慣(性癖)があっても描けなくなるということがある。アーティストのスランプとは、似ていてちょっと違う。同じ部分もあるのかな。

人間、悩みや置かれた状況によっては、身体性が深刻なほど息をしなくなるもので。

「描いちゃえ!」と、後付で身につけてやっていても見事にできなくなる。そもそも何も手につかないとか。

手をつけなきゃいけないことに、「無(白目)」になりながら手をつけていても。どこかで同時進行してる思考に疲れ果ててる。そんな状況では何もできひん。

息するだけで精一杯やのに」って状況に陥ったこともある。
こんな時は本格的に寄る辺がなさすぎて辛い。

「生死ノ苦海ホトリナシ」って、親鸞さんも言ってますね。何その前提。溺れる前提?! しんどすぎませんかね。

絵にせよ文にせよ、音楽でも何でも。辛いとき、キツい時、自分の中にある暗闇の澱を外に出す手段がなければ、何かの力を借りて逃避をするか、発狂しそうなほど向き合い続けるかしかなさそうで。
(あるいは「バイバイ全部リセット」©Plastic Tree とか。)

前後不覚になるまでお酒を飲むことも。自分を粗末に扱うことも。意識を捨てることで、澱を見ないように目を塞ぐか、別の痛みに気を向けて紛らわせているように思う。
自暴自棄ってよく言ったもんですね。改めて見たらすごいなこの字面。

ただ、自分の身体性が息をしていない状態に気付けるか?って問題もある。

自分で気付けたら、SOSもあげられるかもしれない。でも気付いたところで、SOSの出し方・出し先がわからなくて、やっぱり息ができないまま留まり続けるかもしれない。
気付いてなかったら、やっぱりさっきの自暴自棄コース? 自滅はつらい。。

せめて、わたしの手が届くところに身体性が窒息しかけてる人がいたら。本人が気付いていなくても、お節介を焼くことはできる。(ありがた迷惑かもしれへんけども)
少なくともちょっとぐらい話を聞くことはできる。

しかも幸いなことに、今のわたしには動かせる手がある。

描く動機の一つに、その真っ暗なところで息ができなくなりそうな人に、せめて豆電球でも灯せないか?という思いがあり……。それだけではないものの、対個人・対組織に火を灯したいという意味では同じやないかなーと。

吐き出してさえくれれば、わたしが身体を使えるし。
描いて行く過程で、どうにか澱からちょびっとでも引っ張り出していけませんかね?

描いて見せることで、自分が何に囚われて窒息しかけていたのか? 少しは気付くことができる。息をしてなさそうだと気付いてた人なら、少しぐらい気道を広げられる。

自滅するよりは、なんぼかマシではないでしょうか。

この数年、たまたま察したりSOSを受けたりした状況で描いたことが何回もあって。(描き始める前は、おしゃべりで同じようなことしてた)自分の経験上でしかない割に、この動機にもとづいて活動する意味はあると思ってしまう。

他の手段で澱から足を踏み出せることもあるだろうし。それはそれで良いやんね。
なので、ひとつの手段として、やり続けてみようと思う。

この謎の保健室だか駆け込み寺みたいな妙な特性は、自分の弱さでもあるんだけど。(雑に言うと定量的に評価できないし予測できない)弱さを強みだと都合よく捉えることで、誰かに少し火を灯せるなら願ったり叶ったり。

社会にも保健室あるといいよねぇ。そこに待っていたいと思う、そんな朝でした。

 

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追記:「生死ノ苦海ホトリナシ」には続きがありました。

bre.is

解説含めて読んでたんですが。

 「必ずあなたを救う、どんなちっぽけな小石(あなた)だろうとも、決して無駄に死なせない。

必ず浄土(彼の岸)に運び、仏にさせるよ。先祖の皆に会える世界に連れて運ぶよ」

浄土に期待して生きていくか……。いや、その前に苦海とやらをバタフライで泳ぎきりたい所存です。※バタ足しかできません